エンドレーザー治療とはどんな治療法?

 エンドレーザー治療は、これまでの静脈瘤の治療法であるストリッピング手術(ストリッピングとは抜き取るという意味です。)という手術とは全く異なった種類の治療法です。

 静脈瘤の原因となっている逆流のある静脈の中へ大きさが1mmにも満たない光ファイバーを入れて先端からでるレーザー光によって血管を閉塞してしまう方法です。手術ではなくカテーテル治療という内科的な方法です。

 手術では、全身麻酔や腰椎麻酔などの麻酔が必要ですが、エンドレーザー治療は局所麻酔のみで治療中にほとんど痛みを感じることはありません。

従来の手術方法に比べて安全性、快適性が向上した最新の治療法といえます。

エンドレーザー法のメリットとして

  • 手術に比べ体への負担が少ない

  • 治療の危険性が低い

  • 治療に対する恐怖感が少ない

  • 治療中や治療後の痛みが手術に比べて少ない

  • 日常生活への復帰が早い

  • 傷がないので美容的効果が高い

  • 入浴などの制限がない など

           多くの利点が挙げられます。

エンドレーザー治療は治療直後から痛みもなくどんどん歩けますので、お仕事や日常生活にすぐに戻れることが、従来の手術とは全く異なっています。

一方、起こりうる問題点としては

  • 術後の痛み、ツッパリ感
  • 皮下出血
  • 血栓性静脈炎 
  • 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
  • 血管の再疎通(数%以下)       

 などが挙げられますが、深部静脈血栓症以外で重篤なものはなく、手術に比較してもきわめて安全性が高いものといえます。

 エンドレーザー治療の原理

 レーザーの熱エネルギーにより血管内膜の変性と血管壁の収縮が起こり、これに二次的な血栓が付着して閉塞するものと考えられます。レーザーの治療成績をよくするために重要な点は、血管内膜の変性のみでなく、血管壁の収縮をいかに効率よくおこすかということになります。血管の内膜障害は硬化療法という注射の治療でもおこりますが、レーザー治療は血管壁の収縮が強くおきることがその特徴といえます。

血管壁の収縮を起こすためには適切な温度が必要だと考えられます。

 レーザーの種類としては、半導体レーザーヤグレーザーなどのレーザーが使用されています。このうち半導体レーザーは最も臨床使用例が多く、良好な遠隔成績が明らかになっています。治療効果は高かったのですが、これまで半導体レーザーには術後の痛みが出やすいことが欠点としてありました。これは初期のプロトコールが10- 14W、という非常に強い出力設定となっていたこともその原因のひとつでした。その研究の研究に、より低い出力でも血管が閉塞することが分かってきて痛みは軽減してきました。

 さらによりよいレーザー治療を行うため研究を重ねて、静脈の収縮効果が高く皮下出血や痛みの少ないEndvenous Laser Photo Coagulation(EVLPC)という従来のレーザー治療よりさらに進んだ方法を確立しています。ブロードバンドの光、パルスモード、低出力(2-4W)の採用により、レーザーの欠点のひとつである過吸収による血管破裂をほとんどおこすことはありません。そのため、術後の皮下出血や痛みが大きく減少しています。治療中はもちろんのこと治療後に痛みを訴えるかたはほとんどいらっしゃらなくなりました。

エンドレーザー法を受けることが出来る場合

伏在型という大きな静脈瘤が出来るタイプのかたは、基本的にエンドレーザー治療を受けることができます。

現在ではエンドレーザー治療伏在型といわれるコブの大きい静脈瘤であれば、静脈瘤のの大きさにかかわらず、ほぼ全ての方に治療可能となっています。

私の静脈瘤にエンドレーザー治療が可能ですか?

というご質問を良く受けますが、簡単に言えば、高位結紮術やストリッピング手術が必要といわれた方であれば、ほぼすべてのかたでエンドレーザー治療が可能といえます。

エンドレーザー法を受けることが出来る場合

現在のところエンドレーザー治療ができないと考えられるのは、

  • 悪性腫瘍がある
  • 血液凝固系(血が固まりやすい)に異常のある
  • 歩けない
  • 深部静脈血栓症 
  • ステロイド治療中   

など限られた場合です。こういった方は一般的にストリッピング手術も適応ではありませんので、エンドレーザー治療とストリッピング手術の適応は現在ではほぼ同じと考えられます。

実際の静脈瘤に対するエンドレーザ治療例

どのような静脈瘤に対してエンドレーザー治療が有効なのか実際の治療例について写真をもとに説明します。

症例1.大伏在静脈由来の静脈瘤に対するエンドレーザー治療

レーザー治療前

レーザー治療後

下腿前面に大きい静脈瘤を認めています。左大伏在静脈に逆流があり、エンドレーザー治療を行いました。
治療後には静脈瘤がきれいに消失しています。

このタイプの静脈瘤は最もレーザー治療に適しています。治療時期としては、このぐらいの時期の方がきれいに治る可能性が高くなります。むくにみもとれ、足が軽くなりました。

レーザー治療例その1

エンドレーザー法の今後の予想

 エンドレーザー治療はまだ新しい治療法ですが、北米では下記のグラフからは来年度あたりに、従来の手術法よりエンドレーザー治療を受けられる場合が多くなると予想されています。エンドレーザー治療のクオリティは年々良くなっており、日本でも今後エンドレーザー治療を希望される方がますます多くなるものと思われます。

エンドレーザー治療vs 静脈抜去術vsラジオ波

(EVLT:エンドレーザー治療  Ligation&Strippinng: 静脈抜去術  RF:ラジオ波、 ダイオメド社のホームページより引用)

エンドレーザー治療と従来の手術治療の比較

レーザー治療 手術(ストリッピング)
治療する場所 外来(オフィス) 手術室
麻酔法 局所麻酔 全身麻酔(局所麻酔)
成功率 93-98% 77-82%
通常の生活に戻るまでの日数 1-2日以内 3.9-12.4日
皮下出血 24%* 64%*
足の腫れ NA 50%*
痛み NA 28%*
しびれ NA 14%*
傷跡 なし 2ヶ所以上

NA:データなし  *:1週間目

(ダイオメド社のホームページより引用一部改変)

エンドレーザー治療は半導体レーザーはこれまでに5万例以上の治療実績があり、閉塞効果について中長期的成績も明らかになっています。現在でも北米を中心に最も多く使用されているレーザーの一つです。初期のケースではレーザー治療後に皮下出血や痛みが問題となることも報告されています。

 私たちはレーザー照射法について詳細に検討した結果、現在ではパルス照射、低出力照射、特殊ファイバーの導入などにより、治療成績は向上し術後合併症も大きく改善しています。

エンドレーザー治療で一番重要なことはまず静脈を確実に閉塞することです。

 静脈の閉塞を確実にするためには、十分なレーザー照射が必要です。不十分な照射では再疎通の危険性が高まります。

 患者様個々の静脈瘤の状態に合わせて、血管の大きさや静脈壁の厚さなどにより細かな条件設定を行うことが閉塞率や良好な術後経過といった治療成績の向上に最も重要な点です。

静脈瘤の原因となっている静脈は一定の大きさではありません。私たちは患者様個々の血管の状態に合わせてきめ細かく条件設定を行っています。

 さらに付け加えると、どの血管のどの部位をレーザーにより閉塞するかということも大変重要な問題です。従来の手術方法では、神経障害など合併症が多いため、逆流を止める範囲が治療が必要な範囲より少なくなることがありました。そのため十分な治療効果がでないこともあります。

 レーザー治療においても、同じ考え方で治療されている場合がまだ多いものと思います。 

 多くのかたは、比較的短い範囲の逆流を止めることで症状は改善されますが、中には症状が残ったり、静脈瘤が残る場合があります。

 べノネット血管クリニックでは、治療後の状態を予測する静脈機能検査を行い、あらかじめ治療範囲を十分に評価することで、治療成績の向上に努めています。

 きれいに治すためには、レーザー治療のみでは不十分なことが多く、静脈瘤自体の治療法も重要です。

静脈瘤自体の治療方法について

         

エンドレーザー治療について

詳しくはべノネット足の静脈瘤相談室のレーザー治療のホームページもご覧ください。

           レーザー治療以外の低侵襲治療法

海外ではストリッピング手術に代わる体に負担の少ない治療法(低侵襲治療)が最近報告されています。

ラジオ波を用いた静脈閉塞治療

レーザー治療より早く登場した血管内治療法です。

ラジオ波による静脈瘤の治療成績はほぼレーザー治療に匹敵しているようですが、治療に要する機器等など特殊な物が必要であり、現在広く行われてはいません。コストの面でもレーザー治療よりかかることが原因の一つと思われます。日本国内でもすでに実施されています。

エコーガイド下硬化療法

、ヨーロッパ、オーストラリアを中心に良好な中期成績も報告されています。エコーでみながら静脈瘤へ注射をして、静脈瘤を治療する方法です。エコーガイド下で的確に注射を行う技術を必要をする方法です。保険適応内で治療でき、軽症から中程度の静脈瘤のかたに適応がある方法です。

欠点としては、治療が何度か必要なことや、再発率がレーザー治療やストリッピング手術に比べて高くなることです。ベノネットでは、レーザー治療以外の治療法として、エコーガイド下硬化療法を切らない静脈瘤治療の選択枝のひとつとしてとりくんでいます。

下肢静脈瘤 エンドレーザー治療
診察治療日
プロフィール
治療費用
クリニックの所在地
下肢静脈瘤とは
無侵襲診断
エンドレーザー治療
即日診断と治療 
下肢静脈瘤よくある質問
下肢静脈瘤キーワード集
ホーム